夜の蝶との出会いとデビュー
15歳の頃、
十和田市という所に住んでいた。
若過ぎることから昼間の仕事は少なく
困っていたわたしは
隣人で母子2人で
細々と暮らしていた母親の
友人が経営する「道化師」と書いて
ピエロという職場を紹介してもらい
面接に行くことになった。
店主は
身長150cmあるかないかの
小太りで髪の毛は肩下ほどあり
ソバージュをかけた
40半ばの黒髪の女性。
目は二重でクリっとしていて
気さくな感じのいい人だった。
その職場の
出入り口はカランコロンと鈴が鳴り
ビジネス街や商店街
明るい町並みから
少し外れたところにある古く小さな
メゾネットタイプの建物でした。
ママはわたしに
「年齢を誤魔化して働きなさいね」
といって採用してくれた。
これがわたしの
水商売デビューになる。
常連客と不信感
お客さんは30代~60代が多く
15歳のわたしには全員が
おじさんやおじいさんに見えていました。
一見の客はめったに来ることがなく
少ない常連客を相手にする日々。
常連客とママは
「スーさん、ほらいつもの18番歌って~」
「ママ~デュエットしようよ~」と
わたしの知らない歌をうたっていた。
この頃に18番(おはこ)の意味を知った。
いつの間にか
わたしは短い期間でデュエット曲では
北空港・居酒屋・ふたりの大阪
今夜は離さない
いつでも夢を・カナダからの手紙
別れても好きな人
3年目の浮気・恋の町札幌などなど
たくさん覚えることができた。
ある日
お店に出勤し挨拶をすると
ママの返事が2階から聞こえ
しばらくすると
「掃除をしてたのよ~」と
嬉しそうに1階に降りてきて
ママの鼻歌を聞きながら
開店準備をした。
相変わらずその日の営業も
いつもの顔ぶれで
最後のお客さんが1人になり
少し早閉めをして
3人で居酒屋に行くことになった。
しばらく食事をしていると
お店にいた時と
二人の雰囲気が
変わったように思えてならなかった。
なんとなくの不信感がありながらも
わたしは家路についた。
2階の部屋の秘密
次の日、出勤すると
開店前なのに昨日のお客が
もう店にいた。
ママが2階から降りてきて
なにやら気まずそうにしていた。
ママの髪型が
どうもセットしたようには思えず
ん?と思い
よくよく見たら昨日と同じスーツを
二人とも着ていた。
読んでいる方もお気づきだと思いますが
あれから
この二人は2階の部屋で
性〇為をしていたのだ!
アチャー!!そゆことか~!と思ったけど
ママには旦那も娘も居て
お客さんにも家族がいるのを聞いていた。
しかもこの人の職業は警〇官。
15歳のわたしは
軽蔑し呆れ返りその日は
ムスーとした顔で1日働いた。
わたしはどうしても2階の部屋が
気になって気になって仕方なく
合鍵も持たせられていたので
次の日にママよりだいぶ早く出勤し
2階に上がってみた。
するとそこには
6畳ほどの部屋があり
家具等は一切なく
布団1組だけ敷いてあった
見たときは体がフリーズして
二重が一重になったよホント。
道化師閉店→職場斡旋
ママからお店を閉めると聞かされた。
そりゃ~店でこんな情事をしてるんだから
閉店にもなるだろうよ!と思ってしまい
同情のかけらもなく
自分の身の振りを案じた。
するとママは
「世話になれる店がある
〇〇ちゃんも働けるように
話はついているから安心して」と。
ママ優しい!やったー♪と思って
その店で働くことになるんですが
働き出してから
この紹介の恐さを知ることになる。
それはまた別の記事で書きますね。
コメント